家を建てるうえで、知っておかなければならない法規制はたくさんあります。
ただ、土地に関するものに限らず法律や法規制は内容が難しいため、理解するのが大変です。
今回は、最低限知っておきたい土地に関する法規制を簡単にご説明します。
■土地に関する法規制
「空いている土地に家を建てる」言葉にすると簡単ですが、実際には各種の法律を守っていないと違法建築になってしまいます。
では、一体どのような法律があるかというと、土地に関するもっとも基本的な法規則として、土地の用途を12種類に分けることで効率良く土地を活用するためにつくられた「都市計画法」があります。
この都市計画法では、これから説明する「建ぺい率」や「接道義務」「高さ制限」が土地の用途ごとに異なります。
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
・建ぺい率と容積率について
建ぺい率と容積率は、建物の床面積を土地の広さの何%以下に抑えましょうという規則です。
2階建ての戸建ての場合、建ぺい率は1階部分の床面積だけで考え、容積率なら1階と2階両方の床面積(延床面積)で考えます。
「土地全部が建物で埋まっていて周囲の日当たりや風通しを邪魔している」「建ぺい率はクリアしているものの、12階建てで辺り一面日陰にしている」といった問題を防ぐためのルールです。
・道路との関係について
火事や急病などが起きたとき、道路と接していなければ緊急車両が出入りできません。
そのため、住宅は幅4m以上の道路に2m以上接している土地にしか建ててはいけないという「接道義務」があります。
幅4m以上と決まっているのは、緊急車両がすれ違うために必要なため。
もし購入した土地が道路の中心から2m以内にあった場合、セットバックといって自分の土地を後ろにずらし、道路の幅を確保する工事をしなければいけません。
・建物の高さについて
狭い住宅地でご近所同士が日当たりや風通しを確保するために、建物の高さにはさまざまな制限がかけられています。
たとえば、第1種か第2種の低層住居専用地域なら、建物の高さは最大10mもしくは12mという決まりがあります。
また、となりの敷地や道路を日陰にしないように定められた「斜線制限」というものもあります。
■まとめ
家を建てるために必要な法規則は、一見面倒に感じるかもしれません。
しかし、これらの法規則は周囲の土地、ひいては自分の土地を過ごしやすく保つために必要なルールなのです。
法令遵守ができているか、建築基準をクリアしているかといった細かい調整を個人でするのは大変です。良い土地を見つけたら、土地のプロである不動産業者を頼りましょう。