家は、人生のなかで一番大きな買い物のひとつですよね。
もし「家を買って貯金がすっからかんなのに、来年も高い税金を納めなければならない」となると、家を買う気もしぼんでしまうのではないでしょうか。
しかし、心配はいりません。家を買った人は、「住宅ローン控除」で節税し、「すまい給付金」で消費税率引き上げによる負担軽減を図ることができます。
今回は、住宅を購入する時に利用できる2つの制度をご紹介します。
■住宅ローン控除とは?
簡単にいうと、「住宅ローンを組めば最長10年間、所得税と住民税が安くなり、お金が戻ってくる制度」です。
利用するには、
・10年以上の住宅ローンであること
・購入した住宅の床面積が50平方メートル以上であること
といった条件を満たしていなければなりません。また、「いつから居住したか」で適用される控除額の上限が変わります。
年ごとの控除の上限額は、以下の表をご覧ください。
居住開始時期 | 控除の上限額 |
---|---|
平成26年3月以前 | 200万円(20万円×10年) |
平成26年4月〜令和3年12月 | 400万円(40万円×10年) |
さらに、令和元年10月の消費税率10%への引き上げにあわせて、控除期間が拡充されます。
具体的には、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合に、控除期間が3年間延長されて『13年間』となります。
11年目以降の3年間は、
①住宅ローン残高または住宅の取得対価(上限4,000万円)のうちいずれか少ない方の金額の1%
②建物の取得価格(上限4,000万円)の2%を3等分した額
のうち、いずれか少ない方の金額が所得税額等から控除される仕組みです。
■住宅ローン控除に必要な手続き
住宅ローン控除を利用するためには、確定申告という手続きが必要です。
サラリーマンだと会社が代わりにやってくれるので、馴染みのない人も多いでしょう。
しかし、住宅ローンの借入額を会社は知りません。
税務署に控除を認めてもらうためには、会社が代行してくれる確定申告とは別に、自分でも手続きをしなければならないのです。
住宅ローン控除の必要書類 |
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確定申告書 住民票の写し 住宅ローンの残高証明書 給与等の源泉徴収票 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 登記事項証明書 売買契約書の写し |
などを用意し、入居した翌年の確定申告時に税務署へ行きましょう。
なお、サラリーマンは初年度に手続きをしておけば、2年目以降は勤め先にローンの残高証明書を提出するだけで、年末調整で控除を受けることができ、住宅ローン控除の継続が可能です。
■すまい給付金とは?
消費税率引き上げは家計を直撃し、大きな買い物をしようと思うと2%は痛い出費ですよね。
そこで、住宅ローン控除とあわせて消費税率引き上げによる住宅購入者の負担を緩和するため、創設された制度が「すまい給付金」です。
令和元年10月の消費税率引き上げを前に、国土交通省はすまい給付金の額を、最大30万円から50万円に拡張することを決めました。
この制度では、消費税率の引き上げられる平成26年4月以降に引き渡された住宅から、税制面での特例が措置される令和3年12月までに引き渡されて入居が完了した住宅までが対象となります。
対象者は、
・住宅を取得し登記上の持分を保有するとともにその住宅に自ら居住する者
・収入が一定以下
の方です。
住宅の要件は、
・引き上げ後の消費税率(8%もしくは10%)が適用されること
・床面積が50平方メートル以上
・第三者機関の検査を受けた住宅
などで、新築住宅や中古再販住宅、住宅ローン利用の有無で要件が異なるので注意が必要です。
また、収入によって給付額が変わります。
収入額の目安 | 給付基礎額 |
---|---|
425万円以下 | 30万円 |
425万円超475万円以下 | 20万円 |
475万円超510万円以下 | 10万円 |
収入額の目安 | 給付基礎額 |
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450万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 10万円 |
申請は、取得した住宅に居住した後に、給付申請書に必要書類を添付して申請することができます。
詳細については、国土交通省のすまい給付金のホームページをご確認ください。
■次世代住宅ポイント制度とは?
令和元年10月の消費税率引き上げに備え、国土交通省はもう一つ「次世代住宅ポイント制度」を創設しました。
この制度は、税率10%で一定の性能を有する住宅を取得する方などに、様々な商品と交換できるポイントを発行する仕組みです。
新築の場合、1戸あたりの発行ポイント数上限は35万ポイント。
発行ポイント数は、①標準ポイント②優良ポイント③オプションポイントの合計ポイントで算出します。
その内訳と要件は、下記のデータをご覧ください。
■まとめ
住宅ローン控除やすまい給付金、次世代住宅ポイント制度などを上手く活用すれば、大きく節税しながら夢のマイホームが購入できます。
当社では、無理のないライフプランを作成する観点から、節税制度や住宅ローン融資に関するご相談も受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。